階下の秘蜜

川栄伸二はうんざりしていた。
同居する娘夫婦の夜の営みが激しく、階上から娘のあえぎ声が響いてくるのである。
伸二は現在52歳。
妻が男と逃げてからは、男手ひとつで娘の真希子を育ててきたが、恥じらいのない女に成長してしまったようだ。
婿の浩太はいつも申し訳なさそうな顔をしている。
ある日、その浩太の姉・美沙が家に居候することになった。
夫のDVから避難してきたという。
久しぶりに会った30歳の美沙は元々細身の印象ではあったが、記憶よりもさらに痩せていて、折れそうなほど華奢な手首をしていた。
急いで眉だけ書いたような顔は頬がこけ、泣き続けたように瞼が腫れている。
が、その幸薄げな表情はどこか儚く、妙な色気が漂っていた。
美沙の面倒を甲斐甲斐しく見ていた真希子だったが、夜になるとその存在を忘れて、またまたよがり始める。
それを聞いた伸二と美沙は……。

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