棘(とげ)

自動車事故の巻き添えで、恋人を失った中井英郎。
一周忌を終えても喪失感は癒えない。
彼女の母親も同じ想いから、中井との付き合いを大切に続けていた。
ある雪の日、恋人との甘美な想い出が刻み込まれたベッドで眠りにつこうとしているときに事は起こった。
「明りを消して、英郎さん…」。
疚しさに眼をつむり、亡き恋人の母との一瞬の交情を描いた「雪の夜」ほか、死とエロティシズムが交錯する濃密な8篇の寓話。
官能小説の第一人者が描く、静謐のなかのエロス。

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コメント

  1. user より:
    棘 (文春文庫)

    49点。
    かつては「文藝首都」に関わるなど純文学作家であったが後に娯楽小説へと転向。
    「ハードバイオレンス」あるいは「官能」小説家として確固たる存在を築いた先生(らしい)。
    キオスクとかにおいてあるちょっとエッチ系の表紙なイメージ。

    長編自伝小説『小説家』の評価が高くちょっと気になってるんだけど、この本に関しては性愛描写やシチュエーション設定が紋切り型で面白味に欠けた。
    で「官能」を背景あるいは舞台にした小説として読んでみてもオチがないし共感できない。
    年寄りの年寄りによる年寄りのための官能小説、か。

  2. user より:
    棘 (文春文庫)

     8作品、短編集はどのお話も死とエロスがテーマになっている。
    日常に潜むエロスに興味が尽きない。
    勝目梓、お気に入りの作家になる。