
着ていった服がぼろぼろにされていたら、お前のご両親はどう思うかな。
これからお前は俺の女だ。
俺に呼ばれたら、いつでも俺に抱かれに来るんだ──故郷での十五年振りの同窓会。
あのとき、圭輔は捕手で、いまの夫・翔太は投手、そして杏子はマネージャーだった。
翔太が野球推薦で進んだ大学に杏子も進み、ほどなくして結婚、子供も授かった。
高卒のまま地元で働くことになった圭輔──人生の歩みの差が積み重なって、澱のような黒い思いを抱えた男の、用意周到な復讐と、執拗な肉欲は一年前から計算されつくされていた。
奸計に、最初こそ抵抗をしめす杏子だったが、やがて、全身を波打たせて……背徳の快楽の甘美を描き出す、鋭利な淫楽短編!
【著者略歴】越後屋(えちごや) ─ 2005年、『夜の飼育』で第三回幻冬舎アウトロー大賞特別賞を受賞し、作家デビュー。
男くさい主人公やハードボイルドな作風の一方で、繊細な若者の感情を描いた作品なども得意とする。
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