私の奥へ、たくさん出して

37歳の須田雄高は、赴任していた地方都市から10年ぶりに東京に戻って来た。
久しぶりに同期の山岸智也と会うことになる。
家を訪ねると、彼の妻・真帆が迎えてくれた。
癖のない長い黒髪をうなじで結わえ、白い長袖シャツに紺色のセミロングのスカート、素足にサンダルをつっかけている。
染みひとつない色白の顔には化粧気がなく、頬のあたりに少しだけ疲れの色が浮いているのが、年相応に見えた。
雄高は16年前のことを思い出さずにはいられない。
大学生時代、雄高は真帆と付き合い、そして妊娠、堕胎をキッカケに別れていたのだ。
「幸せそうじゃないか。
よかったよ」。
取り付くように声をかける雄高。
しかし、真帆は子供ができず、智也や家族から責められて苦しんでいた。
夫の裏切りまで発覚して落ち込む真帆を見かねた雄高は、思わず唇を重ねて……。

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