再会の宿

人生に絶望した原田智行は、長野県松本市にある白骨温泉へ久々にやってきた。
40代前半で職を追われ、ずっと関係の悪かった妻とも離婚。
自宅を勝手に売られ、ホームレス寸前になっていた。
死を決意した智行の心に蘇ったのは、この地にある温泉旅館たちばなでの甘酸っぱい思い出。
10年前、1ヵ月間にわたる長期出張で旅館に滞在。
その時に9歳年下だった中居の野崎彩香と関係を持ったのだ。
彩香は処女だった。
智行はすでに結婚していたため、出張の終了とともに関係は終わりと遂げた。
あれから10年。
もう会えないだろうと考えていたが、思いがけず彼女と再会する。
宿の息子に見初められ、若女将になったものの、半年前に夫を亡くし、旅館も休業するという。
10年間という長さを埋めるように、2人は誰もいない旅館で何度も求め合い……。

まだレビューはありません

購入・お申し込みはこちら