
神崎は自殺するためにこの町にやってきた。
お金も仕事も男もいっぺんに失った40歳。
子供を産むことさえできない身体になり、もう死ぬしかないと考えていたのだ。
全財産は妹から盗んだ20万円。
使い切ったら全てを終わりにしようと思っていた。
とりあえず適当なホテルに泊まり、近場の閑古鳥が鳴いていそうな小料理屋へ。
ひとりで夕食を食べていると、思わぬ男と再会する。
高校時代にフラれた相手・鳩山弘毅だ。
当時の彼はサッカー部に所属し「カッコいい都立高生」として雑誌に載ったことがあるほどの人気者だった。
神崎が彼に告白した噂は学校中に広まり、壮絶なイジメを受けた。
思えばあれが人生最初にして最大の躓きだったかもしれない。
そんな因縁の相手も20年経ち、中年の貧乏くさいクズ男に変貌していた。
金を貸すと言ってホテルの部屋に誘う神崎。
彼と人生最後のセックスをすることになり……。
まだレビューはありません

