「お願いです。
暗くしてください……恥ずかしいの」夫とは違う視線に、思わず羞恥が震え声に変わる。
なのに、初めての情交に秘唇が蠢き、剛直を絞ってしまう。
国際線スチュワーデス・翔子、黒い下着が似合う人妻だ。
夫以外の男に肉を裂かれる――許されざるタブーが、翔子を啼かせ、慎しみを奪い去り、飢えた牝獣にする！
黒い下着の人妻
2023年8月人気作品
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女が体を開くには理由がある
いい女は口説いて抱きたいものだが、あっさりOKするような女だとつまらない。
身勝手花は無しだが、手の届きにくい女だからこそ抱いたときの悦びもひとしおと言える。
人妻物が受けるのはそういう理由だろう。
雨宮はそういう「無理目の女」が体を開く理由をしっかり描写するタイプの作家だ。
本当は行きずりの男や、久しぶりに会った同級生に簡単に体を許したりしない、そういうタイプの女が心に抱いた不安や不満によってよろめいてしまう様にこだわる。
紙の書籍が発行されて四半世紀ほどになる短編集だが、この本にはそういう、本当なら手が届かないようないい女たちが男の腕の中におちて乱れる様子がたっぷりと描かれている。
とくに良いのは人妻のよろめきが描かれる
「黒い下着の挑発」
「絖白い熟れ肌」
の2編。
いずれも身持ちの固いはずの女性が内に秘めたもののために男と二人っきりで夜の部屋に吸い込まれていく話。
絖（ぬめ）はあまり見ない漢字だが、雨宮は別の作品で「ぬめ白い」という言葉を使っている。
ワープロで変換したのだろう（笑）
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