
<羊の眼>を侑子に教えてくれた男があった。
それは、細毛が器官をくすぐる性具だった。
バーに勤め出して3年になる侑子は、さまざまな男によって性の秘術を知った。
そんな体験を繰り返しながら、侑子は、心の中で何かを求めていた。
画家の福田が、そんな侑子にとって、特別な存在となった。
ホテルで美しいけもののように燃えた翌朝、侑子はふと涙ぐんだりするのだった……。
という、性のひだひだをあやしく描きつくした「誘惑の森」の他に、「魅惑の罠」「よろこび」「バッハと偶発」「失神派」「密議」「夢うつつ」の6篇を収録。
著者の円熟ぶりを示す好短篇集である。
まだレビューはありません

